フィリピン医学留学Diary

フィリピン医学留学での様々な出来事を綴ります。

1年生を終えてUERM医学部の感想

この1年を振り返って、UERM(University of the East Ramon Magsaysay Memorial Medical Center)を選んで良かったなと思うこととそうではない事があります。

まず良かったと思うことは、勉強環境が整っていること。残念ですが、フィリピンの医学部にはカンニングが頻繁に起こったり、教授が遅刻してきたり、不公平な成績をつける教授もいると聞いています。また、過去問を巡る政治的な争いで点数が決まるようなこともあるようです。その点、UERMは、カンニングは1年間で聞いたことがありませんし、採点はマークシートで機械が行うので不公平になる要素がありません。そして、教授は生徒のアンケートで講義の質が評価されるため、教授が授業に遅刻するなど滅多になく、指導熱心な教授が殆どです。過去問に関しても、Google Driveで全学生で共有するので、情報の格差で成績が決まることもありません。その点、フェアで努力が認められる学校です。


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2つ目はTransの存在です。Transとはクラス全体で協力して作る授業ごとの要約です。1クラス20グループに分かれ、月に1回自分のグループの担当が来ると、担当の講義を録音したり、写真を取ったり、授業要約を作ります。これが全生徒に共有されるので、いちいち教科書で勉強する箇所を探してという面倒な作業が省けます。また、授業で理解できなかった場所を後で全て確認できます。基本的にはこのTransをしっかり覚えさえすればパスできるので、この制度に本当に助かっています。

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3つ目は生徒の質が高いこと。現地生は倍率7の入学審査を通ってきているので、優秀な学生が多いです。クラスメートの3割は国立1位のフィリピン大学、半分は私立名門のサントトマス大学を卒業しています。友人には、フィリピン大学を主席で卒業したり、Magna cum ludeで卒業した生徒が結構普通にいます。また、カリフォルニアの大学を主席で卒業してきたアメリカ人の女の子や、カリフォルニア大学デーヴィス校のGeneticsのリサーチアシスタントをしていた台湾人をはじめ、現地生、留学生共に勉強熱心で努力家が多いです。
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4つ目はUERMのフィリピンでの評判が良く、アメリカとの繋がりが強い数少ない医学部であること。現在政府機関であるCHEDにより、医学部評価の最高ランクであるcenter of excellenceに選定されているのは3校のみです。フィリピン大学、サントトマス大学、そしてUERMです。またPASCUと呼ばれる別の機関にも最高ランクのLevel4を維持しています。これは国家試験の合格率ランキングだけではなく、様々な要素を考慮して評価されたものです。二つ目に、アメリカとコメクションが強い学校です。4年次にはシカゴ、ニューヨークの病院で短期研修できます。現在アメリカで卒業生が2000人以上働いていており、卒業生でニューヨークで開業されている医師が講演しに来たこともありました。                         
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次に悪かったなと思うのは、進級が想像以上に難しかったこと。正直他の医学部で勉強したわけではないので、他と比べてどのくらい難しいかはわかりません。しかし、現地学生によると、UERMはフィリピン大学やファーイースタン大学よりは進級が簡単のようですが、フィリピン全体で見たら難しい部類に入るようです。また、落第した生徒に補修や再試験がない制度もその難易度を助長していると思います。5人に1人は2年生に進級できず、その中には外国人留学生もいます。そのうち、1人はフロリダから来たアメリカ人の友人で、他にもカナダ人で留年している学生を知っています。
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2つ目は授業料が高い。授業料の詳細は別の記事で載せたのでここでは触れませんが、UERMの授業はマニラの医学部の中でも一番高い部類に入ると思います。また、留学生が払わなければならない入学金が1万ドルで、これも高く設定されています。他に医学部で半額ほどの入学金の学校も知っていますし、そもそも入学金がない学校もあります。そう考えると、授業料が高めです。   

最後は外国人が少なすぎること。日本人は学校全体で僕一人しかいません。また、殆どの外国人はアメリカ人のため、もう少し日本や韓国等の文化的にも近く、自分と同じ境遇の留学生の仲間がいれば良かったのにと幾度となく思いました。