フィリピン医学留学Diary

フィリピン医学留学での様々な出来事を綴ります。

医学留学中に死にかけた話と海外旅行保険

今回の記事では海外医療保険に加入すべきかどうかについて自分の体験に基づいて思う事を書きます。いつも通り、結論から言うと絶対に保険に入っておくべきだと思います。フィリピンに長年住んでおらず、こちらの環境に慣れていない日本人の方は尚更そうです。その理由の一つは、フィリピンの劣悪な衛生環境です。日本の世界最高レベルのインフラに比べると、マニラは空気汚染、道路の汚さ、害虫の多さ、汚染された水等々病気になりやすい環境が見事に整っています。清潔な環境で育ってきている日本人の免疫にはこれだけで応えます。さらに、これに加えて医学部の負担が乗し掛かります。医学部で求められる勉強、課題、試験から来るストレス、過労、睡眠不足の環境では病気になりやすくなるのは普通です。
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これは決して日本人だからというわけではなく、現地の学生も試験期間中に風邪をよく引きます。にも関わらず、医学部生活では病院に行く機会が少なくないので、病原菌との接触のリスクも比較的高い。こういった理由から、フィリピンに長年住んでいない日本人の方は可能な限り、保険に加入しておくことを強くお勧めします。

僕個人の話をすると、この1年間で3回入院しました。流石にここまで馬鹿のように病気になった日本人の留学生もいないので、そんな人もいるんだなくらいの理解でお願いします。1回目はセブで滞在中にデング熱C型にばっちりかかり、帰国後則発症し、入院しました。見学していたセブの病院で感染した確率が極めて高いです。2回目は、1年生の学年末試験1ヶ月ほど前に、突然肺水腫からARDSを起こし、目の前のうちのERまで走り込んで気絶。O2sat65まで一時下がり、危うく死にかけました。レントゲン所見で、肺炎で肺両方が完全にやられている状態でした。1年の終盤に差し掛かって、無理を重ねていた矢先に病院で感染したと思います。
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最後の入院は、肺炎の抗生剤Cotrimoxazoleに遅延性のhypersensitivityを引き起こし全身に湿疹。目が腫れて開けれない状態まで行き、再入院。初期の熱が無かったのを除けば、スティーブンソン・シンドロームと酷似していました。これが一番辛かったです。
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今でもこんなに入院してよく1年生突破できたなと驚きです。そして、自己管理の甘さに深く反省しています。入院費は結構かかりましたが、保険のおかげで全額補償されました。親が渡航する費用や滞在費までカバーされていました。僕はこの苦い経験を経ているから、強く保険加入を勧めるようにしています。日本人が一般的に行くようなマニラの私立病院では、MRIで3万円、15分のコンサルで5000円飛びます。勿論アメリカに留学する時に加入するような高価な保険は必要ありません。安いのでもあるのとないので雲泥の差があります。あなたが僕のように20代で日本で健康だったとしても、こちらで病気にならない保障はありません。同胞の皆様、保険加入と健康にはよくお気を付けください。