フィリピン医学留学Diary

フィリピン医学留学での様々な出来事を綴ります。

医学留学で後悔しない為に

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フィリピンの医学部に入学された方の中には、学校が想像以上にキツく、志半ば止むなく帰国される方もいます。個人的には、イチロー選手の仰る『やってみて「ダメだ」とわかったことと、はじめから「ダメだ」と言われたことは、違います。』の賛成派ですが、それでも入学後に想像と違っていて、退学や転校するとなれば、渡航費や入学金、費やした時間や日本でしていた仕事を失う等の惨事が起き兼ねません。そこで、この記事では入学後にこんなはずじゃなかった‼というのを少しでも減らす為、医学部がどのくらい大変なのかが想像しやすい記事を集めました。別に僕は営利目的で書いている留学エージェントでもなんでもないので、ちょっと辛口なものも含まれています。でも、これらを読んでそれでもやろうと感じるかどうかを一つの目安にしていただければと思います。

 

1.フィリピン医学部全般について言えること

www.rappler.com

2.アテネオ大学の医学生が1年生を振り返って書いたもの

www.ateneo.edu

 3.かつてUERMの学生で退学を考えて退学届を書いたけど、ギリギリで思い止まった話(これが一番共感できた笑)

mentalinception.blogspot.com

 4.ある学生が医学部最初の日の気持ちをFB上で綴ったもの

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1年生SURVIVE術

UERMで1年生をSURVIVEする為のアドバイスを書きます。

 

1.できるだけ早く、現地の学生の友人を作る。僕は入学する以前に、日本からfacebookで現地で勉強している学生に突然メッセージを何通か送り、その過程で素晴らしい出会いに恵まれました。2年生だった彼らにどれだけ学期中に助けられたかは言葉で表せません。2年生は、1年生を経験し終わったところで、教授の話、試験の話、何を勉強するべきか等医学部1年生を生き抜くために必要な最新情報を持っています。過去問や授業の要約を事前に全て貰ったのは本当に大きかったです。


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2.誰に何と言われようとTRANS(講義の要約)を勉強する。試験の為に何を勉強していいかわからない。こういう状態に少なからず最初はみんな陥ります。UERM医学部でLong examsの成果を最も効率よく上げる方法はTransを暗記することです。これはクラスのtop perfomersほぼ全員に共通する点でした。教科書を使うのは、試験の点数という点で見たら効果的ではありません。学期が進むにつれて、クラスメートの大多数はtransだけ勉強するようになります。と聞くと、それだけかという印象を受けるかもしれませんが、心配しないで下さい。どんなに頑張っても、Transを勉強し終えることはないと思います。


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 1ヶ月の試験範囲は400ページに及ぶ。

 

3.Biochemistryに細心の注意を払う。2年生に進級できない100人弱の学生のうちの大多数はBiochemistryのせいです。Biochemistryの難易度は群を抜いています。うちの卒業生は何年も連続で国家試験のBiochemistry sectionの平均点数が1位のようなので、フィリピンで一番厳しいBiochemistryのクラスを取っていると言っても大袈裟ではないと思います。これにどれだけ苦しんだかわかりません。フィリピン大学で1年間Biochemistryを勉強したクラスメートの子が、希望的観測であまり勉強せずに試験を受け、第一回long examで100点中6点を取り、いきなり退学の危機に陥っていました。1学期が終わった時点では、450人中150人が落第。フィリピンの超一流の大学や大学院を卒業した多くのクラスメートが、人生で一番難しい科目だったと漏らす難易度です。なので、これだけは試験で大きくヘマをしてはいけません。


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一回の授業でこれ全ての詳解をされた時の衝撃は忘れられない。

4.Minorに時間をかけない。 学期が進めば、みんなわかるのですが、Minor科目に心配はいりません。みんな通ります。Major科目の10分の1の難しさと思ってください。そして、全体成績の中でもそれくらいの割合しかありません。よくある失敗は、学期最初の方は簡単だというのがわからないので、minor科目に時間をかけすぎて、major科目の点数を落とします。minorは落としても後で何とでもなります。1年生の最初の方はminorは落としてもいいから、major科目に90%の力を注いでください。Minorの勉強は試験直前でもいいくらいです。(Disease and Preventionだけは例外です。しかし、これも蓋を開けてみたらみんな落としません。)

 

5.解剖学も要注意。Biochemistryに次いで難関なのは解剖学です。フロリダから来た留学生やカナダ人の知人は、解剖学を落として留年になっていました。これはひたすら暗記なので、暗記が苦手な人には大変な科目です。試験範囲を全て覚えきることはそもそも無理で、心が折れることや、範囲の多さに目を疑うことが1年間続きます。自分を信じて、諦めずに出来る限り勉強する姿勢を保つことがとても大切です。


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解剖学のFinal exam直前

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FB上でのクラスメートの呟き(写真)

6.つらいのは自分だけじゃないことを理解する。医学部最初は、あまりの勉強量の多さに大きなショックを受けると思います。僕は事前にそれを聞いていましたし、それなりに覚悟していましたが、自分の想像を遥かに超えるものでした。信じられないことに、学期が進むにつれて、そのキツさは増していきます。しかし、そう感じているのはあなただけではありません。クラスメートは辛いところを見せないようにしているだけで、みんな苦しんでいます。最初の1週目が終わる頃には消える学生も数人います。1学期の2回目の試験の直前で、僕のグループメートの一人が学校に来なくなりました。彼女はフィリピン大学卒業の良くできる学生でした。他の友人のフィリピン人の女の子(彼女もフィリピン大学生物学部卒)は1学期後半の試験前の3週間、毎日毎日泣きながら深夜遅くまで勉強したと、後になって教えてくれたこともあります。また、ある日同じくフィリピン大学のエンジニア専攻を主席で卒業した超優秀なクラスメートと授業前に朝食を食べたことがありました。彼は「正直、医学部に入学したことを後悔している。1年間準備するべきだった。」と辛そうに話していたことを今でも覚えています。僕も、ある時精神的にも身体的にも限界まで追い詰められた時期があり、学長に転校の話をしにいったこともありました。そういう友人は他にもいました。でも、少しずつ適応していきます。少しずつ何をしなければならないか自分でわかるようになります。そして、少しずつ強くなります。泣く時間が勿体ないといって机に向かうようになります。なので、辛くても、自分を責めず、みんな同じ境遇だと思って、最後まで踏ん張ってください。

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キツい時に友人に励まされたメッセージ。今となっては良い思い出。(写真)

NMAT体験談と対策

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 NMAT試験会場 San Calros Universityでの受験直前の様子(写真)

NMAT受験日2015年10月25日  

受験地 CEBU SAN CARLOS UNIVERSITY 

受験直後に書いた体験談を下に貼り付けるので、参考にしてください。

 

NMAT受験を決めたのは受験日の2か月前で、セブの医学部を卒業された森一仁先生に「2か月間気合い入れて、詰め込めば何とかなる」と強く励まされて受験したのを覚えています。森先生おすすめの教科書をamazonで買い揃え、日本でバイトと学校の授業と並行しながら1日3-5時間NMATの勉強をしました。

まずはBiologyの勉強から始め、CliffsnoteのBiology を第一章から一言一句逃さず読み漁りました。幸いアメリカの大学課程で2semestersの間Biology関係のクラスを受講していたので、前半のcell biology, mitosis, meiosis, geneticsは比較的抵抗がなく進めました。とはいえ、アメリカにいたのが2年以上前だったので、忘れているところが殆どで、結局全部一から覚え直しの感じでした。前半の章はわからない単語があればdefinitionを一つ一つネットで調べて理解し、4度は読み直しました。その後、森先生のアドバイス通り、覚えたところは黒マジックで×を付けて、×がついていない箇所を徹底的に暗記しました。振り返れば、試験の不安で自分の得意な箇所ばかりを勉強したくなる衝動がこの方法で抑えられて良かったです。一番苦労したのはtaxonomyの章の聞き慣れないfungusやmoneraの名前、photosynthesisやcell respirationを覚えることでした。結局、Taxonomyに関しては試験当日も半分くらいしか暗記していない状態で臨みましたが、幸い試験には殆ど出てきませんでした。勉強をしている中で、医学部の受験なのにcliffsnoteはあまりにも薄すぎないかという不安が生まれ、一応Barronsの分厚い教科書も途中で買い、途中まで読み進めましたが、途中で挫折。受験後振り返ってみて、BarronsはNMATにはあまり意味が無かったように思います。そんなこんなで、気づいたら受験当日となり、結局薄っぺらいcliffsしか勉強してないことを後悔しました。受験してみると、Cliffsの内容よりも少しばかり難しめの問題や見たことのない単語が結構ありましたが、問題をよく読むとCliffsに書いてあった基本的なことを聞いている問題が多く、選択肢であったことにも助けられ、想像以上に解けました。例外はanatomyとphysiologyでした。思ったより多く出題され、Cliffsの内容では足りず正答できなかったように思います。しかし、結果としてほぼcliffs暗記だけで800点中775点まで取ることができました。

もし今もう一度勉強するなら、BIOLOGYに関しては

・Cliffs Quick Reviewを完璧に丸暗記する。どうしても時間がなければtaxonomyはskipしても構わない。

・Cliffs Quick Review Anatomy& Physiologyの最初の幾つかの章を覚えておく。特にhormone, bone, muscleのpartを重点的に。

かなりBIOLOGYだけで書きましたが、BIOLOGYだけで1か月以上使ってしまいました。

CHEMISTRYは1か月くらい前からBIOLOGYと同じようにcliffsnoteを読みました。高校以来の化学で、大学受験を受けていないので、殆どわからない状態でした。Cliffsnoteの説明で基本的な概念を理解し、barronsのEZ-101が分かり易く要約されていたのでそれを丸暗記するようにしました。結局時間がなく、electrochemistryやacid-baseはノータッチで受験。最初の半分はcliffsからそのまま問題を作ったのではないかと思われるくらい同じで助かりました。後半の途中からacid-base, electrochemistryの計算問題,biochemistryの問題が出てきて、まったくお手上げになり適当に塗りつぶしました。結果590でした。振り返って、cliifsnoteとEZ101を最後らの方の章もしっかりやり込んでいたら、それだけで十分な点数が出たと思います。

Chemistryと同時並行して、CliffsのPsychologyも進めました。心理学は比較的好きな科目で、日本の大学でも授業で学んでいたこともあり、趣味の感覚で読み進めました。黒マジックで×を付けるような時間はありませんでしたが、大事そうなところだけを2度読み返しました。暗記はできませんでした。Psychoanalysisの章と他幾つかの章は時間がなく、ノータッチ。生憎、sociologyやanthropologyもまったく手を付けられませんでした。が、いざ受験してみるとNMATのsocial science sectionではpsychologyも含めて、就活の時事問題、一般常識みたいな問題が多いため、このsectionの準備にあまり時間をかけなくて良かったと思います。もしかすると、文系の学部で勉強してきたからそう感じたのかもしれません。結果は644でした。 

最後にverbal  sectionの対策として、Word Power Made Easyを7割くらい読み、暗記できることを祈って読みました。振り返って、Verbal sectionでWord Power Made Easyは役立ったなと特に感じませんでした。(語彙の勉強としてはかなりの良書です。)Verbal sectionに関しては、短期間の詰め込みでどうにかなるものではないと感じました。academic関連の固い語彙力を問われ、長文の内容の理解を問う問題が出てきます。個人的には、語彙のpartは正答率6割くらい。長文のpartでは8-9割解けたと思い、それなりに自信があったのですが、結果は487でした。平均より少し低かったのを見ると、おそらくフィリピン人の受験者はnative English speakerみたいなものだと思うので、彼らは殆ど正答しているかと思います。

その他のことをする時間はありませんでした。結構2か月間で詰め込んで勉強したなとは思いますが、物理学ノータッチ(高校2年生で学んだ以来)、化学が中途半端、NMAT REVIEWER の問題ですら目を通す時間がなかったことなどもう少し勉強したかったなと思います。しかし、結果としてはpercentile80を超すことができました。

Verbal sectionに関しては、しっかり地道に勉強をしないと点数を上げるのが難しいなと感じます。しかし、Science sectionに関してはNMATでは2-3か月cliffsnoteでしっかり詰め込めば、僕のような大学受験をしたことがない文系の学生でも勝負できるとわかりました。今後NMAT受験される方に少しでも参考になれば幸いです。 

 

以下、使用教材

Cliffs Quick Review –Biology-

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おすすめ度★★★★★

http://www.amazon.co.jp/CliffsQuickReview-Biology-Kelly-Schweitzer/dp/0764563750/ref=sr_1_7?ie=UTF8&qid=1452895541&sr=8-7&keywords=cliffs+biology

 

BARRONS E-Z BIOLOGY

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おすすめ度★★

http://www.amazon.co.jp/Barrons-E-Z-Biology-Gabrielle-Edwards/dp/0764141341/ref=sr_1_8?ie=UTF8&qid=1452895857&sr=8-8&keywords=barrons+biology

 

Cliffs Quick Review – Chemistry-

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おすすめ度★★★★★

http://www.amazon.co.jp/CliffsNotes-Chemistry-Quick-Review-Cliffsquickreview/dp/0470905433/ref=sr_1_4?ie=UTF8&qid=1452895703&sr=8-4&keywords=cliffs+chemistry

 

 

BARRONS EZ-101 Chemistry

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おすすめ度★★★★★

http://www.amazon.co.jp/Chemistry-Barrons-Ez-101-Study-Keys/dp/0764120069/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1452896416&sr=8-2&keywords=ez+chemistry

 

Cliffs Quick Review –Psychology-

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おすすめ度★★★

http://www.amazon.com/Psychology-Cliffs-Quick-Review-Sonderegger/dp/0822053276/ref=sr_1_sc_1?ie=UTF8&qid=1452896259&sr=8-1-spell&keywords=cliifs+psyhoology

 

フィリピン医学部入学までの手続き

フィリピン医学部の入学絶対条件は、学士号を持っていること。文系の学士号でも構わない学校が多いです。二つ目はNMAT(National Medical Admission Test)の試験の点数。この足切りの点数は学校によって変わります。受ければそれでいいというような医学部から、90%以上が絶対条件のフィリピン大学やアテネオデマニラ大学まで、それぞれの学校が基準を定めています。

 

大まかな手続きは

 

NMAT受験

出願

面接(UERMは現地面接必須ですが、SKYPEで対応してくれる学校も多いようです。)

合否発表

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といった流れです。

 

出願は必要な書類を集めるのが少々面倒ですが、学校側から要求される書類を提出すれば終わりです。また、万が一書類の提出が期限より遅れても、なんとでもなるのがフィリピンです。これはあくまでも印象ですが、出願期限が万が一過ぎていても、授業開始日前に提出すれば入学できそうです。面接は、外国人留学生の場合、あくまでも名目上で、落とされることは滅多にないと思うので割愛します。一番時間がかかるのはNMAT受験です。日本の入試やアメリカのMCATと比べると、簡単だと思います。また、TOEICのように何度も受験可能で気もかなり楽です。とはいえ、アメリカの大学1,2年次に履修する教養レベルの生物学、化学、数学、物理学、心理学、社会学、Verbal reasoning等と科目が多いので、ある程度の準備が必要になります。NMAT対策に関しては、また別の記事で詳しく書きます。

 

マニラの治安

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マニラはフィリピンの中でも、経済格差が広く、治安が悪い地域として知られています。フィリピンの田舎は、自然豊かで牛が道路に歩いているようなのどかなイメージを僕は持っていますが、マニラはそれとは対照的に殺伐とした都会です。マニラに住んで最初に驚いたのが、想像以上に都市開発が進んでいたこと。そこいらに巨大ショッピングモールが乱立し、高層マンションが立ち並んでいます。利便性でいうと、大阪よりもいいのではないかと思うくらいコンビニもレストランも揃っています。

都市の発展の一方で、地方から上京し、仕事に就けない貧困層が多く、ストリートチルドレンや売春婦が道に溢れている地区も少なくありません。また、タクシーの運転手がぼったくってきたり、理不尽に怒ったりということも少なくありません。というと危険な印象を持たれると思いますが、治安の悪さはスラム地区や歓楽街に集中している傾向があります。格差社会の顕著なマニラでは、そういった貧困層の一方で、億万長者も結構います。医学部でクラスメートになる子たちにはそういった子が特に多いです。彼らは、当たり前のようにMacを使い、スタバに頻繁に出入りし、海外旅行に行きます。彼らの生活圏内を普通に生活していれば、危ないと感じることはないと思います。
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夜11時頃の学校の近くのstarbucks。試験期間が近づくと、勉強する学生たちで埋まります。

UERMの周りには、日本で言ういわゆる高級マンションが立ち並んでいて、医学生の多くがそこで住んでいます。40階を超えるようなマンションにはプールやスカイラウンジ、高級感を漂わせる受付、周りにはガードマンが沢山います。僕もそのうちの一つに住んでいますが、レストランもスーパーもスタバも高級マンションの下に入っているし、学校まで歩いて1分もかからないので、アメリカにいるのと変わらないなと感じることがあります。学校の真横には警察署と日本人が経営する居酒屋があり、夜12時以降に歩いても、治安が悪いと思ったことはありません。
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多くの学生たちが住む学校横のコンドミニアム
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↑僕が住んでいるコンドミニアムのプール。学期中は泳ぐ時間はありませんでした。
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うちのコンドミニアムのフロント。(写真)友人でも入口で名前を書かなければ入れません。こういったプール付きの高級マンションでも、部屋は狭いですが、家賃は9000pesos(2万円程)とお得感があります。

しかし、これはあくまで個人の印象に過ぎないので、もしかしたら僕とクラスメートたちが1年間超幸運だったという可能性があるかもしれません。政府の統計を基にもう少し客観的に説明すると、日本人は毎年フィリピン全土で平均4人殺害されているようです。これを殺人発生率で表すと日本にいる日本人より高いことになります。しかし、日本人が殺害される大多数のケースはフィリピン人ではなく、他の日本人とのトラブルで起きるようです。また、殺害される日本人には共通の特徴が見られるようで、以下がそうです。

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ということなので、留学生が殺害される確率は極めて低く、日本人留学生が殺害された前例はこれまでありません。

僕の実感的にも、統計的にも圧倒的に多いのはスリ。携帯をすられたクラスメートを数人知っていますし、特に観光地に行くと外国人を狙ったプロのスリが無数にいるので、常に気を張らなければいけませんでした。これには普段から注意が必要です。


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↑スリが特に多いマーケット。基本買い物はショッピングモールなので、まだ行ったことはありません。

参照URL フィリピンの治安|フィリピン留学情報

 

1年生を終えてUERM医学部の感想

この1年を振り返って、UERM(University of the East Ramon Magsaysay Memorial Medical Center)を選んで良かったなと思うこととそうではない事があります。

まず良かったと思うことは、勉強環境が整っていること。残念ですが、フィリピンの医学部にはカンニングが頻繁に起こったり、教授が遅刻してきたり、不公平な成績をつける教授もいると聞いています。また、過去問を巡る政治的な争いで点数が決まるようなこともあるようです。その点、UERMは、カンニングは1年間で聞いたことがありませんし、採点はマークシートで機械が行うので不公平になる要素がありません。そして、教授は生徒のアンケートで講義の質が評価されるため、教授が授業に遅刻するなど滅多になく、指導熱心な教授が殆どです。過去問に関しても、Google Driveで全学生で共有するので、情報の格差で成績が決まることもありません。その点、フェアで努力が認められる学校です。


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2つ目はTransの存在です。Transとはクラス全体で協力して作る授業ごとの要約です。1クラス20グループに分かれ、月に1回自分のグループの担当が来ると、担当の講義を録音したり、写真を取ったり、授業要約を作ります。これが全生徒に共有されるので、いちいち教科書で勉強する箇所を探してという面倒な作業が省けます。また、授業で理解できなかった場所を後で全て確認できます。基本的にはこのTransをしっかり覚えさえすればパスできるので、この制度に本当に助かっています。

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3つ目は生徒の質が高いこと。現地生は倍率7の入学審査を通ってきているので、優秀な学生が多いです。クラスメートの3割は国立1位のフィリピン大学、半分は私立名門のサントトマス大学を卒業しています。友人には、フィリピン大学を主席で卒業したり、Magna cum ludeで卒業した生徒が結構普通にいます。また、カリフォルニアの大学を主席で卒業してきたアメリカ人の女の子や、カリフォルニア大学デーヴィス校のGeneticsのリサーチアシスタントをしていた台湾人をはじめ、現地生、留学生共に勉強熱心で努力家が多いです。
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4つ目はUERMのフィリピンでの評判が良く、アメリカとの繋がりが強い数少ない医学部であること。現在政府機関であるCHEDにより、医学部評価の最高ランクであるcenter of excellenceに選定されているのは3校のみです。フィリピン大学、サントトマス大学、そしてUERMです。またPASCUと呼ばれる別の機関にも最高ランクのLevel4を維持しています。これは国家試験の合格率ランキングだけではなく、様々な要素を考慮して評価されたものです。二つ目に、アメリカとコメクションが強い学校です。4年次にはシカゴ、ニューヨークの病院で短期研修できます。現在アメリカで卒業生が2000人以上働いていており、卒業生でニューヨークで開業されている医師が講演しに来たこともありました。                         
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次に悪かったなと思うのは、進級が想像以上に難しかったこと。正直他の医学部で勉強したわけではないので、他と比べてどのくらい難しいかはわかりません。しかし、現地学生によると、UERMはフィリピン大学やファーイースタン大学よりは進級が簡単のようですが、フィリピン全体で見たら難しい部類に入るようです。また、落第した生徒に補修や再試験がない制度もその難易度を助長していると思います。5人に1人は2年生に進級できず、その中には外国人留学生もいます。そのうち、1人はフロリダから来たアメリカ人の友人で、他にもカナダ人で留年している学生を知っています。
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2つ目は授業料が高い。授業料の詳細は別の記事で載せたのでここでは触れませんが、UERMの授業はマニラの医学部の中でも一番高い部類に入ると思います。また、留学生が払わなければならない入学金が1万ドルで、これも高く設定されています。他に医学部で半額ほどの入学金の学校も知っていますし、そもそも入学金がない学校もあります。そう考えると、授業料が高めです。   

最後は外国人が少なすぎること。日本人は学校全体で僕一人しかいません。また、殆どの外国人はアメリカ人のため、もう少し日本や韓国等の文化的にも近く、自分と同じ境遇の留学生の仲間がいれば良かったのにと幾度となく思いました。

 

 

 

フィリピンの医学部を卒業してアメリカで働けるのか

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渡米したい場合は、フィリピンから卒業後直接渡米するか、日本で働いてから渡米するかだと思います。後者に関しては、可能だと思います。しかし、前者は難しいんじゃないかというのが僕の現時点での理解です。そもそも法律上の問題で不可能ではないかという指摘もあります。)

アメリカで医師として働く場合、アメリカの医師国家試験USMLEを取得し、現地のResidency Programに応募し、選定されるのが一般的な方法になります。USMLEに関してはフィリピンの医学部を卒業して受験可能です。UERMでは、入学式で2023年問題の基準はクリアしているため安心してほしいと学長から話がありました。しかし、問題はResidency Programです。アメリカの永住権が無い日本人の場合、まずVISAが一つの壁になります。基本的には、現地の医学部を卒業したアメリカ人と外国語医学部を卒業したアメリカ人が優遇されるのが一般的だからです。とは言え、アメリカの医師の4人に1人は外国人です。あなたが優秀であれば、外国人でも喜んで受け入れます。問題はフィリピン医学部を卒業した直後では、その優秀さを証明する機会がUSMLEのスコアくらいしかありません。USMLEのスコアで高得点を取得しなければ基本的には外国人のResidency Programの扉は開かれません。これをChallengingと捉えるかimpossibleと捉えるかは人によります。

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フィリピンの医学部を卒業された太田医師のオフィシャルウェブサイトに、太田医師ご自身が渡米に挑戦された時のお話が書かれていますので、参考にして下さい。(http://yota.justhpbs.jp/sub2.html

しかし、特殊な能力を持っていたり、アメリカの大学院を卒業している、また現地でコネクションがある場合は必ずしもこの限りではないようです。また、アメリカでの臨床を狙っている韓国人やカナダ人の友人が学校にいるので、彼らがどうやって実現させるのか注目しています。